JFIR広場

トップページ フォーラム 慢性上咽頭炎関連 慢性上咽頭が関連する皮膚疾患

  • このトピックは空です。
1件の投稿を表示中 - 1 - 1件目 (全1件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #49
    jfir事務局
    キーマスター

       皮膚科領域において原因不明の疾患は多数存在する。そのような疾患は正書にも原因不明である旨が記載されているのが通常である。皮膚科疾患の中でも病巣感染を契機として発症、増悪する疾患としては掌蹠膿疱症やアナフィラクトイド紫斑病は有名なところであるが、慢性上咽頭炎という概念に出会い、その他の疾患についてもその関連の可能性を考えるようになった。
       多形浸出性紅斑や俗に言う中毒疹といわれる全身性の湿疹病変などは外来でよく見る疾患である。実際には原因追及は困難で、急性の疾患にて時に血液検査などでウィルス感染を疑う所見が見られる程度であるがEATを行うと短期間で改善するケースを経験する。
       蕁麻疹もかなり高頻度の疾患であるが、難治性で抗ヒスタミン剤が効きにくいもの、慢性に繰り返すもののなかに副鼻腔炎や慢性鼻炎、後鼻漏の合併が多い印象がある。 そして鼻の自覚症状や口呼吸のあるケースなどに鼻うがい、ミサトール、口テープを使用すると内服薬の量が減ったり明らかな症状の改善をみるケースがある。
      さらに全身に掻痒の強い結節性病変が多発し繰り返す慢性痒疹や自覚症状の乏しい点状出血斑を長期に渡って繰り返す慢性色素性紫斑の原因も基本的には不明であるとされる。
       どちらも患者は数年から数十年にわたり罹患していることが多く命に関わることはないがQOLをかなり低下させる。
       慢性色素性紫斑では下肢の静脈系循環障害を認めることが多く止血剤の内服やステロイドの外用を行うが繰り返すケースがほとんどである。また、掌蹠に水疱が多発する汗疱、それに痒みを伴い湿疹化した異汗性湿疹もなかなか完治に至ることが困難な疾患であり人によっては数年から数十年繰り返している。これらの疾患は特に難治の人はよくよく話を聞くと後鼻漏や副鼻腔炎の合併が多く、EATにて症状の改善を見るケースが多い。EATが苦痛で継続できない時でも鼻うがいとミサトールの点鼻治療で改善するケースもある。
       EATを外来に取り入れるようになり、今までいくら薬剤を変えてもあまり変化がなかった疾患の患者さんにも新たな治療として提案ができるようになった。特に慢性の皮膚疾患で悩んでいる患者さんは多少痛みが強くてもしっかり説明すると理解されもしも効果がある可能性があれば、と希望されることがほとんどである。
       難治な皮膚疾患に遭遇した場合には試してみるべき治療法の一つとして考えるべきである。
       

      大仁田 亜紀

    1件の投稿を表示中 - 1 - 1件目 (全1件中)
    • このトピックに返信するにはログインが必要です。

    トップページへ戻る