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- このトピックには3件の返信、2人の参加者があり、最後にmorimotoにより2020年9月19日に更新されました。
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2020年9月4日 #113
JFIRでは5月からCOVID-19対策として「みんなで鼻うがいキャンペーン」を始めました。すると「エビデンスはあるのか?」という声が聞かれました。
COVID-19はまだ登場して間もないので残念ながらエビデンスはありません。
しかし、そのヒントになる上気道炎治療としての鼻うがいのランダム化比較試験(RCT)の報告がありますので簡単に解説します。
紹介するのは急性上咽頭炎に対する鼻うがいのRCTです。『「のど風邪」や「はな風邪」にかかった時に鼻うがいをする価値があるか?』 というものです。
鼻うがいについてこれまでに幾つかのRCTが報告されていますが、科学的な評価に最も値するのは英国エジンバラ大学のグループにより2019年に報告された探索的(パイロット)RCTです(Ramalingam S. Sci Rep 2019 :9:1015)。
彼らは発症から48時間以内のウイルス性の風邪患者を、高張食塩水を用いた鼻うがい群(32例)と対照群(34例)の二群に無作為に分けて、症状の推移とウイルスの消退を詳細に検討しました。
そして対照群と比較して、鼻うがい群において罹病期間が22%短縮、市販薬の使用が36%減少、家族内感染が35%減少、そしてウイルス消失速度が速いという興味深い結果が得られました。結論として彼らはウイルス性感冒に対する鼻うがい効果を実証する大規模なRCTの必要性を訴えています。
彼らはさらに、COVID-19パンデミックを機に、このRCTにおけるコロナウイルスによる風邪患者のみを抽出した事後解析を行い、同様の結果が導かれるとし、COVID-19の治療として高張性食塩水の鼻うがいを提唱しています。
この臨床研究で採用された鼻うがいの方法はフラスコに入れた100ccの濃い食塩水を左右の鼻から一方ずつ吸い込む(他方の鼻は指で押さえてふさぐ)陰圧の鼻うがいで、多少のコツが必要です。回数は適宜で、治療開始の2日間は6回実施を勧められているようですが、多い人は8回実施しています。
このRCTでは生理食塩水ではなく高張食塩水(濃い食塩水)が「鼻うがい」に用いられています。それには彼らがRCTに先行して実施した興味深い実験が根拠となっています。それは、コロナウイルスなどを感染させた上皮細胞を用いた基礎的な実験で、塩水を加えると塩化ナトリウム濃度依存性に細胞内で産生される次亜塩素酸を介してウイルスが増殖するのを抑えることを示したのです(Ramalingam S. Sci Rep 2018:8:13630)。つまり、塩水が抗ウイルス効果を持つことを証明したのです。
この理論に基づき彼らは実際に人を対象としたRCTの鼻うがい群では1.5%、2.0%、2.5%、3.0%の中で当該患者が使用に耐えられるもっとも高濃度の食塩水を使用しています。
彼らはコロナウイルス、ヘルペスウイルス、RSウイルスなど様々なウイルスの増殖を食塩水が抑制することを示したのですが、一方でいくつかの種類のウイルスでは食塩濃度を上げても増殖が抑制されませんでした。その一つがインフルエンザウイルスです。インフルエンザは毎年多数の死亡者が出る、言わずと知れた「恐ろしい感冒」です。インフルエンザも空気媒介感染は重要な感染経路で、鼻うがいが有効かどうかはインフルエンザ対策としても大変重要なポイントだと思います。
エジンバラ大学のRCT論文には鼻うがい群30例と対照群(鼻うがいをしないグループ)31例の観察期間中の最初の4日間におけるウイルス量の変化が一人ひとり詳細に示されています。それによると鼻うがい群のコロナ感染者は7人で、そのうち6人で著明なウイルス量の低下が認められています。一方、鼻うがい群のインフルエンザ例は一例のみで、この症例ではウイルス量の減少は認められていません。
理屈からすると鼻うがいはコロナには効きやすく、インフルエンザに効きにくいのかも知れません。
COVID-19患者さんの鼻うがいについて、何か情報をお持ちの方は教えて下さい!
堀田 修
2020年9月19日 #261YouTubeライブ配信ありがとうございました!
鼻うがいについて、私は医療従事者ではないのでなかなかRCT論文を見る機会も解説していただく機会も少なく、大変参考になりました。
今後はこちらのトピックでも色々と勉強させていただきたいです。
私は4年ほど毎日1〜3回鼻うがいをしています。
今のところ鼻うがいを始めてインフルエンザ罹患もなく(ワクチン無し)新型コロナウイルス感染もありません。私が実感している鼻うがいの素晴らしさや少しの経験も、機会がありましたらこちらでシェアさせていただきたいです。
どうぞよろしくお願い致します!
2020年9月19日 #263投稿ありがとうございます。
ライブ配信でもお話しましたが、将来、未知のタイプのコロナウイルスが再び人類に襲い掛かる日が来るかも知れません。
そんな未来のためにも今の時点で鼻うがいの効果と限界を明確にしておくのは大変意義のあることだと私は考えています。
一定数以上の国民が日常的に鼻うがいを実施するようになれば疫学的に鼻うがいの効果と限界を統計学的に評価できると思います。
例えば新型コロナに罹患した患者さんの中で鼻うがいを行っている人が一般国民に比べて極端に少なければ鼻うがいの有効性が示唆されます。現在日本では100万人程度が鼻うがいをしていると推定されていますが、まずは1000万人突破を目指したいと思います。2020年9月19日 #266堀田 修 先生
ご返信いただきありがとうございます!
鼻うがい人口1000万人!という目標に向かって
#鼻うがいチャレンジ
YouTubeみんなで鼻うがいコレクションなど、私も啓蒙活動を頑張ります。
morimoto
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