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トップページ フォーラム 慢性上咽頭炎関連 慢性上咽頭炎と自律神経機能障害 返信先: 慢性上咽頭炎と自律神経機能障害

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澤田石 順澤田石 順
参加者

    田中亜矢樹先生、コメントありがとうございました。
    2019年の日本疲労学会にて貴重な報告をされていたのですね。学会理事の倉恒 弘彦先生はME/CFSの診療/研究の第一人者ですが、患者会(特に青森県の患者の石川さんを通して知遇をいただいております。倉恒先生らがME/CFS患者における脳内炎症(by PET study)の存在を示したのはご存知と思います。
     COVID-19患者あるいは無症状であったSARS-Cov-2感染者の中で、後遺症ありの症例群において、PET studyが行われたり、NCNPの山村先生らの研究グループによりフロスサイトメトリーによる検討が実施されることが望まれると思います。
     申すまでもなく、SARS-Cov-2感染後の後遺症患者において、慢性上咽頭炎がどの程度の頻度で存在するのか、そしてまた、慢性上咽頭炎をEATで治療することで視床下部症候群の改善はどの程度となるのか、嗅覚障害の改善はどうなのかとか、大きく期待されると思います。私、情け無いことにME(CFS)/FM/HANS患者達とはつながりありますが、身体障害者手帳の取得のみでしか貢献出来てません。
     なので、堀田先生、今井先生、田中先生ら治療を実践しand/or研究をされている諸先生に期待するばかりです。

    >先生のお示しいただいた「鍵となる事実は脳室周囲器官には
    >血液脳関門がないこと」というお言葉には非常に多くの示唆が
    >含まれているように思われます。
    このことは鍵だと思うのです。ME/CFS/FM/HANSにおいて慢性上咽頭炎がほとんど全例において存在することが堀田先生らにより明らかだと思います。
    そもそも、健常者においても、嗅粘膜からの嗅神経系経路(glymphatic system)で、薬物等が嗅球/くも膜下/脳室に流入することが判明しております。
    https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
    ↑にて nose-to-brain (delivery)で検索しますと、鼻腔への薬剤噴霧により脳室に送られる(脳室から上咽頭のリンパ管への経路はゆっくりなので単純に浸透している?)ことについて沢山の論文がみつかります。もちろんpubmedで検索しても、nose-to-brain deliveryについては数多の論文や総説があります。
    nose-to-brain経路でのワクチン/薬物/ペプチドが効果を発揮すると期待されている理由は、脳室に入ったそれら物質が、血液脳関門を欠如している脳室周囲器官の毛細管における陰圧部分から吸収されると考えられるからですね。
    先生が言及された↓↓について
    >仮に上述のように何らかの薬剤(経口薬や注射薬いずれでも)が鼻咽頭炎を
    >引き起こすとしたら、その経路には脳室周囲器官の血液脳関門が無い部分から
    >の侵入が想像されますし、SARS-COV-2のウイルス自体、ないしはウイルス感染に
    >よってもたらされたサイトカインなどの侵入経路は此処から始まるのかも
    >しれません。
     つまり、薬物による上咽頭炎であれ、SARS-Cov-2ウイルスによるそれであれ、HPVワクチンによるのであれ、ME/CFSの典型例にみられる風邪症状(viral infection)による上咽頭炎であれ、脳室から嗅上皮リンパ管→上咽頭リンパ管→頸部リンパ節という通常のglymphatic systemによる脳脊髄液の下降速度が低下して、nose-to-brainという逆行が強まるのだと仮定されると思います。単純に浸透圧勾配で脳室に物質(ウイルス、サイトカイン、薬物など)が逆流することは最も考えられますが、T細胞とか抗原提示細胞(APC)が逆方向に遊走することがglymphatic systemの鬱滞により可能となることも考えられるのではないかと思います。

    P.S. ★olfactory ensheathing cell (OEC)について
    例えば→ https://www.sciencedirect.com/topics/medicine-and-dentistry/olfactory-ensheathing-cell
    嗅神経は神経細胞の中では例外的に活発に再生を繰り返すことが知られております(寿命は40日くらい)。また、それは無髄神経であります。嗅上皮の基底細胞(SARS-Cov-2のACE2受容体を発現)が嗅神経に分化するわけですが、OCEは嗅神経の軸索(嗅球の糸球体に伸びる)の構築に関与するグリア細胞の一種。OECは再生医療分野では注目されており、脊髄損傷における自己移植(嗅粘膜から採取して移植)の試みで一定の成果が報告されております。jsage/pubmed(hubmed/medline)とかで検索すると、沢山の論文が見つかります。
     pubmed で olfactory ensheathing cell AND (ACE2 or SARS-Cov-2 or COVID-19)で検索してもヒットしないことから、OECはACE2受容体を発現していないのではないかと思います。あるいは誰もそのことは調べてないのかも知れません・・・・・・・

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