トップページ › フォーラム › EAT(上咽頭擦過療法) › EATによる上咽頭粘膜の組織学的変化
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2021年5月31日 #415
病巣疾患研究会の先生方、いつも大変お世話になっております。福岡歯科大学総合医学講座耳鼻咽喉科学分野講師、西耳鼻咽喉科医院副院長として働いております西憲祐です。私は4年前に福岡の田中宏明内科胃腸科クリニックの田中宏明先生からEATの存在、治療法を御教示いただきました。その後、博多で開催されたEAT実習で今井先生や田中亜矢樹先生をはじめとする理事の先生方に手技を御指導いただき、当院でも導入してEATの有効性を実感しております。その後も、堀田理事長はじめ、顧問であられる原渕先生、理事として普及活動頂いておられる先生方、学会発表頂いておられる先生方から日々御指導、様々な情報提供を頂き誠に感謝しております。
私事ですが5月30日に開催されました、日本耳鼻咽喉科学会九州連合地方部会で『上咽頭擦過療法がスギ花粉症の咽頭症状に有効であった一例』という演題で発表を行いました。その中で、EATによる上咽頭粘膜の組織学的変化を検討し、EAT施行により繊毛上皮の扁平上皮化生と粘膜直下の線維性間質が出現することを確認しました。この変化は耳鼻咽喉科でアレルギー性鼻炎に対して行うことがある「下鼻甲介レーザー焼灼術」の有効機序と合致するもので、EATによる上咽頭粘膜のバリア機能の高まりを示唆する結果です。また田中亜矢樹先生が御報告されている「経時的白色化現象」にも関連しているのではないでしょうか?本結果がEATの有効性のメカニズムの1つとなり、EATの更なる発展に寄与できると幸いであり、この場をお借りして先生方に情報共有させて頂きました。
発表スライドPDFを添付しておりますので、御拝読いただけますと幸いです。耳鼻咽喉科医への啓発も兼ねた発表ですので、少し内容に偏りがあることご了承ください。現在本内容で論文投稿中ですので、受理されましたら改めてJFIR広場で御報告させて頂きます。
大学に所属し、研究が可能な立場から、今後もEATの啓発や発展に寄与したいと考えております。今後とも御指導のほど、何卒よろしくお願いいたします。Attachments:
You must be logged in to view attached files.2021年6月4日 #417西憲佑先生。貴重なご報告を誠にありがとうございます。EATによって経時的白色化現象が生じることは、すでに論文化されておりますが、EAT前後の組織学的検討についてはおそらくほかに例を見ない重要な示唆を含む報告だと思います。EATによって粘膜上皮下にリンパ球、好酸球、好中球が認められなくなり、扁平上皮化生を起こしていることがよくわかります。EATの抗炎症作用が病理組織学的にも証明されており、素晴らしい着眼点だと思います。地方部会でのご発表にとどまらず、口腔咽頭科学会や日耳鼻総会などでのご報告にも期待しております。引き続きよろしくお願いいたします。
田中亜矢樹2021年6月5日 #418西先生、貴重なご報告感謝感謝です。とても勉強になります。
上皮化生が起こってから再度線毛上皮になっていくのか、またなっていくとしたらどれくらいの期間が必要なのかもしご存知でしたら教えて下さい。論文化されたらまた拝読させていただきます。楽しみに待ちます。
2021年6月5日 #419田中亜矢樹先生、今井先生
コメント頂き有難うございます。
本年度の口腔咽頭科学会でも発表予定としておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
粘膜変化の持続期間に関する正解は持ち合わせておりませんが、アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療の場合は効果減弱を補うため、およそ2年ごとに行う施設が多いようです。一方、先生方も御経験があられるかと思いますが、アデノイド切除後の上咽頭瘢痕形成は肉眼的に長期間持続しています。
EATによる粘膜変化は持続期間と関係している可能性もあり、今後の検討課題の一つかと思います。先生方には博多でEATを御指導頂き大変感謝しております、今後もどうぞ宜しくお願い致します。
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