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トップページ フォーラム 医科・歯科連携 骨粗鬆症における医科歯科連携

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    吉田 律樹JFIR 事務局
    キーマスター

       

      歯周病と骨粗鬆症との関係に関する研究の集積から,閉経後骨粗鬆症において,歯周炎の進行過程におけるエストロゲン分泌の低下による影響が明らかになりつつある.すなわち,閉経後女性では,歯周炎の進行過程において,エストロゲン欠乏により,顎骨の歯槽骨骨密度(BMD)も減少し,歯周ポケット内では, T細胞やB細胞の異常,IL-1,IL-6,IL-8,TNF-α等のサイトカイン,炎症性メディエーターであるPGE2の異常亢進が生じ,発症した歯周炎の進行過程にかなり影響を及ぼすことが考えられている.

       

      また,ホルモン補充療法,ビスフォスフォネートやサプリメント等の骨粗鬆症治療において,全身の骨代謝への影響と同時に,歯の喪失,無歯顎化,下顎骨BMD,歯槽骨の吸収および歯周組織の付着の喪失を示唆するアタッチメントレベル(AL)に対して,抑制的な効果を示すことが報告されている.すなわち,歯周炎の進行を抑制できる可能性が報告されている.

       

      歯科治療時に,顎全体を撮影するパノラマX線写真は,顎関節,歯やその周囲の歯槽骨等の診断に用い羅れているが,このパノラマX線写真のオトガイ孔下部の下顎骨皮質骨指標が,閉経後骨粗鬆症患者のスクリーニングに有用であることも判明している.したがって,歯科治療のために撮影されたパノラマX線写真による骨粗鬆症スクリーニングにより,骨粗鬆症患者予備軍が早期に生活習慣を見直す契機にもなり,歯周組織も含めた口腔の健康向上にも寄与することになる.

       

      一方,ビスフォスフォネート長期服用患者においては,抜歯等の外科的処置による難治性の顎骨壊死(Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw, BRONJ)の可能性が示唆されているため,医科歯科連携がより重要である.

       

       

      稲垣幸司

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