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トップページ フォーラム 歯周病治療 歯周病に関する疾患と歯周病治療による改善の可能性のある疾患

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  • #127
    吉田 律樹JFIR 事務局
    キーマスター

       

      歯周組織の健康や歯周病と全身の健康,全身疾患との相互関係を確立するための分野として,「Periodontal Medicine」(Offenbacher,1996年)が提唱された.すなわち,全身疾患が歯周組織の健康や歯周病に影響を及ぼすという従来からの概念はもちろんのこと,逆に,歯周病が,全身の健康状態に強い影響を与えているという,2方向性(双方向性)の意味合いをもつ.現在,歯周病と冠動脈疾患,呼吸器疾患,糖尿病,妊娠にまつわる問題(早産・低出生体重児),骨粗鬆症,リウマチ等との関連が報告されてきている.さらに,糖尿病では,歯周病治療の介入が,糖尿病のコントロール状態を改善する可能性,冠動脈疾患,呼吸器疾患,早産・低出生体重児およびリウマチでは,歯周病治療の介入が,その疾患のリスクを抑えることにつながる可能性も報告されてきている.

        

      稲垣幸司

       

      #268
      堀田 修堀田 修
      参加者

        近年P. gingivalisの脳内慢性感染症による炎症性ケモカインとP. gingivalisによって放出されるプロテアーゼであるgingipainによるAβ1-42の産生がアルツハイマー型認知症(AD)の原因である可能性として浮かび上がってきました。実際にAD患者の脳や脳脊髄液中にP. gingivalis(脳はモノクロ抗体、脳脊髄液はDNA)を検出されています。
        そして、P. gingivalisによって放出される病原性因子プロテアーゼであるgingipain Kを阻害するように設計された薬剤AtuzaginstatをADに用いた臨床試験(第2/3相)が米国とヨーロッパにて進行中で、2021年12月にはその結果が報告されることになっています。すでにAD9症例とマウス実験は終了していて、ADの進行阻止、脳脊髄液からのgingipainの消失が明らかにさせているとのことです。そして副次的評価項目として歯周病の評価が入っています。Gingipainを阻害するとP. gingivalisの口腔内での繁殖が不可能となります。Atuzaginstatを製造した企業はADの次に冠動脈疾患を含む動脈硬化性疾患、RA、糖尿病等をターゲットとして考えているようです。
        こうした医学のブレイクスルーが医科歯科連携につながるような気がしています。

        #271
        白波瀬 泰史白波瀬 泰史
        参加者

          堀田先生
          論文を読みたい方もあると思いましたのでリンクを送りました。(この論文ではCOR388です。その後Atuzaginstatとして臨床研究中です。)
          https://advances.sciencemag.org/content/5/1/eaau3333
          サイトカインを介した糖尿病と歯周病の関係よりも、GingipainKを介したADと歯周病の関係の方が短時間に明確なエビデンスが構築されようとしています。

          2020年4Qには100名の中間報告も発表されるよていになっています。
          COVID-19の陰に隠れていますが、今最も注目される臨床研究の一つと思います。
          白波瀬泰史

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