JFIR広場

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  • #133
    吉田 律樹JFIR 事務局
    キーマスター

      皆さん、歯並び矯正治療の目的と聞いて何を思い浮かべられますか。矯正学会レベルでは、虫歯や歯周病の予防、顎運動口腔周囲の機能的改善、顎成長発育の改善、心理的な満足も含め審美的な改善と提唱されています。しかし、患者さんの要望としては、見た目を重視、審美です。小臼歯の抜歯をすると、口唇の突出感が減少し、美的な側方プロファイルが得られます。時代の流れで非抜歯治療も増えているとは聞きますが、著名な矯正専門医からも6割から7割は抜歯症例と聞きます。私が師事した近藤悦子先生は、単に歯を歯列弓内にきれいに並べる機械的な治療だけでなく、患者さんの健康と、健康をたもつ生きるための鼻呼吸を確立すること。この鼻呼吸が人間の本来持っている正常な舌、口腔周囲筋、咀嚼筋の力と口唇を閉じての鼻呼吸機能を最大限利用し確立することを、矯正歯科治療の目的と示されていました。この治療法をMuscle Wins!の理念に基づく治療と唱えられていました。

      私が第2回、第3回病巣研究会で発表させて頂いていたのが近藤先生にご指導を受け10年を経過した頃でした。

      不正咬合の原因を観察しますと遺伝的要素よりも、不良環境が悪影響を与えて鼻呼吸が正常に行われていない場合が極めて多いことがわかります。つまり、鼻呼吸を確立するために、呼吸に関わる筋肉(舌と口腔周囲筋、咀嚼筋)の正常化を図り、口唇をきちんと結んで鼻呼吸ができ、舌が自由に動くことができる舌房を作ることが審美的にも重要であると定義つけられました。患者さんにとって理想的な環境が形成されると口腔内外からの力のバランスが整えられた位置で歯が、配列されるようになります。そして顎関節に負担がかからない安定した咬合形態が形成されます。さらに患者さんに精神的・肉体的な負担を強いることなく対顎対咬関係と顎機能を回復し審美的改善がなされ、術後の長期安定性が得られるとMuscle Wins!の理念に基づく治療の中で述べられています。

      現代人が口呼吸を無意識行っているところを見かけます。とくに1960年以降の育児や生活習慣の変化によって上下歯列弓が狭窄してきているとの報告があります。上下歯列弓拡大をし、同時に口腔 周囲の筋肉が適応出来るよう、セルフトレーニングを指導しますと、小児のみならず成人にも口腔領 域以外の症状の変化を認め体調不良、特に鼻咽頭の改善される治療結果を得ることが当院の治療でも多く見られるようになってきました。

      このような結果より、歯科矯正治療は、筋機能を整え、鼻呼吸を重視することによりかみ合わせの改善と長期安定性をもたらすことのできる医療であると認識して参りました。鼻呼吸にて未病の生活を送って頂きたいとの考えは、正に病巣疾患の治療概念と一致します。

      歯並びの良くない人は何がしかの耳鼻咽喉科疾患の症状を持っておられることがあります。とくに鼻閉塞やアレルギー性鼻炎とよく診断されます。矯正歯科医として、隣接領域の耳鼻咽喉科の連携医療が必須と学ばせて頂き情報交換させて頂いています。

      さらに、舌ストレスと原因不明の体調不良を研究された安藤正之先生によると命を守るセンサーである舌の居住スペースの下顎歯列のアーチが狭くなることにより、舌は常に緊張状態である。その不健全な舌ストレスが全身の様々な不定愁訴の原因とされている。当院でも、この調査を実施しこの研究に参画させて頂いて治療前後の改善結果が出てきています。

      先ずこのような、歯科矯正治療におけるトピックスを示させて頂きます。

      最後に、小臼歯の抜歯治療を否定しているわけではありません。近藤先生もPM lineにおける後方限界や下顎切歯軸の傾斜度、口唇側貌の状態により抜歯症例と提示してくださっています。病巣疾患を認識し、治療を進め非抜歯の枠を広めている症例のご報告します。多くのご意見を頂きたく宜しくお願いします。

      • このトピックは吉田 律樹JFIR 事務局が3年、 6ヶ月前に変更しました。
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      #244
      松川 公洋松川 公洋
      参加者

        今回、歯科矯正治療のJFIR広場を担当させて頂く、奈良県で矯正歯科専門にて開業しています松川矯正歯科 医院の松川です。
        先ずは小臼歯非抜歯症例をご報告させて頂きます。

        2013年 第1回病巣疾患研究会より症例を許可を得 展示し、第2回、第3回と会員発表を させて頂きました。Muscle Wins! をと唱えておられている近藤悦子先生にご指導して頂き10年が経過した頃でした。

         

        (Muscle Wins!とは、Dr. Graberが名付けられた。これは、人間の筋肉と骨の関係について考えた時、従来のまず骨ありきという考えとは正反対に、筋肉の力が骨の力を制するというものと捉えられた臨床理念のこと。つまり、鼻呼吸を確立するために、呼吸に関わる筋肉(舌 と口腔周囲筋、咀嚼筋)の正常化を図り、口唇をきちんと結んで鼻呼吸ができ、舌が自由に動くことができ る舌房を作ることが審美的にも重要であるということです。患者さんにとって理想的な環境が形成されると口腔内外からの力のバランスが整えられた位置で歯が、配列されるようになります。

        わたし、まず、小臼歯の非抜歯を目指します。

        ご意見のほど、よろしくお願いします。

         

        松川公洋

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