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2020年9月4日 #131
歯根尖病巣や歯周病等は歯科病巣感染であり三大病巣感染の一つとして歯科領域疾患の他科疾患への波及的原疾患と認知されているのは周知の通りだが、歯科咬合関連要素も他科疾患(特に整形外科疾患)への波及要因であることを関わってきた者として総論的ではあるがご報告したい。この分野の医科歯科連携の意義・重要性は高いが、歴史はまだ浅く、学問体系確立もまだ道半ばである。
今回の仮説報告は約15年前から整形外科医、内科医達との医科歯科連携治療関係から導かれた歯科介入効果(各診療科医科医師による歯科介入効果評価)の集積による。
◆医科歯科連携治療における整形外科・ペイン領域疾患への歯科治療介入有効例一部
頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、肋間神経痛、ギックリ腰、坐骨神経痛、変形性膝関節症、アキレス腱炎、その他多数、AKA博田法対象疾患*1)、顔面神経麻痺、筋緊張性頭痛他多数
*1)関節運動学的アプローチ博田法とは理学療法科医師、博田節夫氏が1990年代に学術基盤に確立した関節運動学に基づき関節包内運動の非観血的運動療法。整形外科、ベイン領域等の中枢性・関節原性の運動機能障害、感覚神経障害等に広く適応。従来治療法における難渋症例の改善解決策としての側面もある。
◆歯科外領域への疼痛・機能障害等の原因は概ね以下に分類される
①上下歯牙咬合干渉
②歯牙-口腔軟組織干渉
③歯科補綴–口腔軟組織干渉
⑤歯牙欠損放置
⑥顎位異常、機能障害
⑦歯科金属(アレルギー又は中毒性)
⑧①〜⑧のミックス
◆歯科的治療法
①~⑦の要因への各々のアプローチを行う
◆評価法
医科歯科連携は医師からの紹介症例に対し上記①〜⑦の歯科的アプローチを組み合わせて歯科介入。その後医科医師の評価を受ける形で行われてきた。
◆運動器疾患と歯科疾患
言い方を変えると、運動器疾患の治療効果を妨げる要因のひとつが歯科咬合関連要素(①〜⑦)あるとも言える。
◆AKA博田法の関節包内運動機能改善は歯科領域にも介入効果がある。
・介入有効例
知覚過敏症、咬合痛、末梢性構音障害、末梢性嚥下障害、義歯不適合性口腔粘膜炎、義歯不適合、ブラキシズム、クレンチング、咬合不全感症、口腔異常感症、顎関節症
◆結論
この医科歯科連携症例集積より、整形外科・ペイン領域の疾患と歯科領域の疾患は相互関連があることが推測された。
酒井 秀俊
2020年9月20日 #269はじめまして。
噛み合わせの治療について、お伺いしたいと思いました。
個々の状況によって異なると思いますが、上下の歯の噛み合わせに歯を削る際、抜随してまで行うことはよくあることなのでしょうか?
抜随すると、歯の感染リスクが増し、そこが病巣となる可能性が大きくなると思います。特に病巣の存在から自己免疫性の疾患になりやすい患者にとっては、とても悩む問題です。
また噛み合わせ以外で、最近では、深い虫歯でも抜随せずにMTAセメントなど、歯髄保存療法を行っている歯科医などの情報がウェブで掲載されており、これらは有効な方法なのだろうかと注目しております。
2020年9月20日 #273ご連絡ありがとうございます。
返信遅くなりすみませんでした。ご意見のご返答に際しなのですが、
藤田先生は何科の先生でらっしゃいますでしょうか。もし歯科意外の診療科の先生でおられますれば、歯科医特有の用語を避けてコメント
させて頂きたく存じます。
酒井2020年9月20日 #275酒井先生
歯痛のため抜髄したけど改善せず、ほかの症状もありEATを実施したところ歯痛も改善したケースを経験しております。
①歯科治療において「なるべく抜髄はしない方が良い」と考えるのは妥当なことか?
②抜髄をした方が良いのはどういう病態の時か?この二点は私も含め歯科の門外漢の人々が知りたいことだと思いますのでご教授ください。
2020年9月21日 #276貴重なご質問ありがとうございます。
〉歯痛のため抜髄したけど改善せず、ほかの症状もありEATを実施したところ歯痛も改善したケースを経験しております。・・大変重要なご臨床経験とご洞察をなさったと感銘いたします。
抜髄後の持続性疼痛は残髄炎等歯髄性及び
歯根尖周囲炎など局所に起因するもの以外に慢性上咽頭炎など病巣感染性、仙腸関節はじめ他関節の関節副運動機能異常〜関節炎などの関節原性等関連痛、その他の因子が考えられ、EATによる疼痛消失は十分にあり得ます。①に対して
抜髄→歯根尖性歯周炎化を可及的に回避することは自己免疫疾患や皮膚疾患、糖尿病等口腔関連疾患を考えますと非常に重要事項考え、いくつかの治療法を組合せて精力的に取り組んでいます。
有痛性整形外科運動器疾患に於いても、
歯根尖性歯周炎の改善が有効だった症例が散見されます。②に対して
急性歯髄炎に対して最大限の歯髄保存治療をするも、経過不良の症例であった場合です。また、上下の噛み合わせ調整治療に於いて
抜髄まで必要なケースは稀です。稚拙な回答で恐縮です。
さらなるご質問、コメントも、お気軽にお声掛けください。2020年9月21日 #277酒井先生
有意義な知見についてご紹介いただきましてありがとうございます。
拙い質問で申し訳ございません。私は医師でも有資格の医療従事者でもないのです。IgA腎症患者で11年前に扁摘パルス治療を受けて寛解しております。
仕事で自宅にて医療翻訳をしており、少しの医学用語は把握しておりますが、歯科専門領域で医師の方々が交わされる難解な用語は理解が及ばないこともございます。
現在歯科医に通院しておりますが、JFIR広場のルールに、「個人的な診療相談はご遠慮ください」と記載がございましたので、あのような質問の仕方になりました。
最初の歯科医にてブリッジの仮歯を作成したところ、その技術に不安を覚えたため、2軒目の歯科医に行ったところ、そこでは仮歯の箇所について、噛み合わの調整のためと、X線で影があるようで虫歯の場合はそこも抜随の処置が必要になるかもしれないという診断を受け、迷っておりました。
11年前、扁摘パルス治療を受ける前に、根管治療が奏功しなかった歯を抜いたところ、その下の歯槽骨が溶けていたことが判明したという経験があったため、できるだけ抜随をしたくないという思いがありました。
噛み合わせのための抜随は希であると酒井先生のお話を伺いまして、やはり歯髄温存のための努力をしてもらえる歯科医にあたってみようという考えになりました。
本当にありがとうございます。
2020年9月21日 #279患者さんのご質問だったのですね。
ありがとうございます。いくつかご了承頂きたいことがあります。
歯痛ひとつをとりましても、その原因、成り立ちが複雑で、個別の症例に関しては歯科医によって見解がちかうこと、
今回の私のコメントは、あくまで私の個人的見解であり、現在の一般的歯科臨床のスタンダードにはなっていない部分も含まれますこと等ご理解下さい。2020年9月21日 #280酒井先生
ご返信をありがとうございます。
歯科医によって、また症例によって、見解が異なるとのこと、承知いたしております。
治療にあたって、いくつかのパターンを知りたかったものですから、ご意見をお伺いすることができたことはとてもよかったと思います。
治療について、後戻りできなくなってからでは後悔の気持ちが大きくなりますので、できるだけのことをしてみたいと思いました。
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