JFIR広場

#424
堀田 修堀田 修
参加者

私は若年性皮膚筋炎の症例を診療したことがありませんのでコメントを差し控えておりましたがレスポンスされる方がおられないのでコメントさせて頂きます。
私が調べた限りでは「Fusobacterium」 と「若年性皮膚筋炎」のキーワードでヒットする論文が見当たりませんでした。しかし、「論文がない=関係がない」というわけではありません。
1.Fusobacteriumは細菌の中でも特に大型の細菌で歯垢形成に関与しているようです。
2.Fusobacteriumの病原性は低病原性歯周病菌群の一つで単独ではあまり悪いことをしませんが、高病原性歯周病菌のP. gingivalisと一緒になってバイオフィルムを形成すると潰瘍形成などを引き起こすようです。
3.潰瘍ができると体内侵入する場合もあり、胎盤を破って流産、死産の原因にもなる菌で深部にまで入り込む性質があるようです。
4.大腸がんでは腫瘍細胞と一緒にFusobacterium塊状になって検出される場合が多いようで多数の論文が報告されています。また、口腔内に存在するFusobacteriumが大腸がんへ移行している可能性を報告されています。また、口腔内細菌叢は腸内細菌叢に影響を及ぼしますので口腔内のFusobacteriumが腸内細菌叢の乱れを介して自己免疫疾患の発症に関与している可能性はありえるかと推察します。

ここからは私の私見です。Fusobacteriumは低病原性歯周病菌群の一つで中学生の頃にこの群は形成されるとされておりますから7歳は早すぎるかも知れません。Fusobacteriumが多いからそれを退治しようという発想が出てくるのは当然ですが、別の見方が必要かも知れません。例えばIgA腎症は口呼吸が関与している代表的な疾患ですがIgA腎症の患者さんでは口腔内細菌数と種類が健常人よりも減っていることが報告されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsme2/36/2/36_ME21006/_article
つまり、治療介入という点では特定の細菌を減らすことよりも多様な細菌が共生する口腔内環境を作ることが重要のように思えます。口呼吸の習慣を是正することはその一つと考えます。
 以上、長野さんの期待に応えるような回答ではないですが参考になれば幸いです。

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