2020年9月15日
#243
堀田先生お世話になります。
平成 28 年 11 月から平成 29 年 10 月までの 1 年間で、IgA 腎症の診断で上咽頭擦過治療を希望し当院を受診した 症例は21 例います。そのうちA.扁摘+パルスを行っても尿潜血が軽快しなかった 4 例、およびB.扁摘パルスで一旦寛解するも、その後尿潜血が再燃した 2 症例の合計 6 例で臨床的に検討しました。
口腔咽頭2016年の堀田先生の論文「内科疾患における上咽頭処置の重要性: 今,またブレイクスルーの予感」の図5で堀田先生はA.19例、B.5例の計24例で83%尿鮮血消失したと述べられています。
当院の結果は、上記6例中3例で尿鮮血消失、1例軽快、2例不変です。上咽頭擦過治療の前後で 尿潜血のみ統計学的に有意に軽快しました。
個人的にもAとBはEATの良い適応と勝手に考えています。
今回検討した症例数は確かに少ないですが(n=6)、耳鼻咽喉科クリニックに年間20名のIgA腎症患者が受診するのはレアと思います(田中亜矢樹先生のクリニックは別として)
軽快した理由がEATの治療効果と言いたいところですが、
腎臓内科の領域で、上記AおよびBを無治療で経過観察した場合、自然寛解はどれくらい見込めるのでしょうか?EATをしなくてもそういった症例は時間が経つと軽快するんだよ!と腎臓内科医に言われると反論できません。